こまくさ草子 〜院長ブログ〜

2018年12月26日


いよいよ今年もあと数日となりました

私も今年一年無事に生きて来れたことに感謝できる年齢になってきました

昔は言葉遊びのように、将来を考えると憂鬱になるのは当たり前でそれは将来には必ず死が待っている

からなのだ、などと言っていたものですが、そういうことがリアルに感じられるようになってきました

昔、太平洋戦争中の沖縄決戦を伝えた本を読んだことがありました

来年の4月を米軍上陸の時と考え自分たちは全滅するがなるだけ時を稼いで本土決戦に有利に持っていく

という戦略的目標を持って、そこから逆算して今を切磋琢磨して頑張る、みたいな本だったような気がします

その本を読んだ時、それは何も特別なことではなく、全ての人は人生の最後を迎える時には

あと1年の命とかを宣告され、そこから逆算して今を生きていくということを普通にしているのではないか

この本が描く戦争状態というものはそういう意味では年齢が少し若いだけで人にとって普遍的な

如何に死を迎えるかということを伝えている本なのではないか、という気分になったことを今も憶えています

還暦を過ぎ、未来の為に今を犠牲にして努力するということをしなくて良くなってきている現状は

いつも未来の為に今を犠牲にしてきた過去の時間とは違う、いわば人生の実りの季節と言ってもいい

時期なのではないか、という気にもなってくる今日この頃です

まあどう考えるかなどはどうでもいいとしても、将来のことは考えなくても良くなっているこの毎日を

大切に生きなくてどこに人生の喜びがあるのだ、ナンテネ